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ブログ | 顧客接点の最前線

【第2回】コンタクトセンターの顧客応対をAIに任せられるか?

9/22/2019

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AIがコンタクトセンターの進化の切り札として大きく期待されています。

しかし、具体論になると、どこか曖昧で、用語の定義も明確ではありません。そのため、AIという言葉が独り歩きして都合よく使われ、過剰な期待を煽られたり、“仕事が奪われる”と脅されるなど、さまざまな混乱を招いています。そのような状況が、AIを“バズワード”と言わしめているのでしょう。

本稿では、コンタクトセンターの現場の視点に立った、AIに対する捉え方や考え方を解説します。

◆ AIという製品はどこにもない

かつてITが一般化し始めたころ、コンピューターに無頓着な社長が情報システム部長を呼びつけて、「最近流行ってるITとやらを、うちも入れたらどうだ」と指示する“笑えない笑い話”が話題になりました。

AIについても、「AIが人間と同じように仕事をしてくれる」「AIを導入すれば、すぐにでも“すごいこと”ができる」など、上記の社長と同様の無知や誤解が多く見られます。

これをコンタクトセンターにあてはめると、「AIがエージェントに成り代わって顧客応対をしてくれる」「エージェントをAIに置き換えて人員と予算の削減を図ろう」という発想になり、さらには「AIは採用難を解消する切り札だ」などと、AIの技術とは直接無関係なことにまで、都合良くこじつけられることになるのです。

そもそもAIとは、研究の分野や概念を表す言葉であり、AIと呼ばれる単一の製品が存在するわけではありません。クルマに例えると、AIはエンジンを開発するための技術や設計思想に相当しますが、ドライバーが購入し利用するのは完成車としての製品であり、エンジン、ましてやその技術を購入するわけではありません。

コンタクトセンターの現場で実際に使用するのは、自然言語処理やディープラーニングといったAI関連の技術を使って、コンタクトセンターの特定の目的のために開発されたシステムやソフトウエアのことです。AIに対して過剰な期待を抱いている経営者やコンタクトセンターの管理者は、まずはAIがどういうものなのか、正しい認識を持つべきでしょう。

◆ エージェントをAIに置き換えることはできない

もしAIを搭載したロボットが、鉄腕アトムのように人間と同様の顧客応対をしてくれるのなら、コンタクトセンターの最前線の現場からエージェントの姿が見られなくなることでしょう。

しかし、今のところそれはまだ、SFの世界の域を出ていません。

なぜなら、現状の実用レベルにあるAIは、過去のデータから、その傾向や特徴を見出したり、大量の単純、定型、反復業務を処理することに長けているものの、人間が、文脈、行間、意図、創造、真意、感情といった要素を駆使しておこなうコミュニケーションができるレベルには至っていないからです。

したがって、コンタクトセンターのエージェントの顧客応対をAI(正確にはAIの技術を搭載した製品)に置き換えるという考えは、現時点ではあまりに安易で無謀と言わざるを得ません。

誤解を避けるために、もう少し正確に申し上げるならば、エージェントの顧客応対をそっくり置き換えることは不可能ですが、発話認識や声紋認証、自然言語処理など、AIの技術により、特定の限られた種類の問い合わせにシステムが応答するサービスは、すでに実用化されています。

例えば、証券会社の株価照会、銀行の残高照会、通信販売の価格照会、交通機関の運行状況照会などにバーチャルエージェントが自動音声で応えたり、資料請求を自動音声で受け付けたり、ECなどWebサイトのFAQの検索をチャットボットがアシストするといったことは、すでに読者の皆さんの多くも経験なさっていることでしょう。

このように、顧客の用件が単純、定型、反復的であり、それに対する正解があるカスタマーサポート系の問い合わせであれば、人間が介在することなく処理できるものがあるということになります。

それに対して、必ずしも正解があるとは限らない顧客のさまざまな要求に対して、会話によるコミュニケーションを通じて本質的、潜在的な問題や事象を解き明かしながら顧客のニーズに応えていくといった、カスタマーサービス系の問い合わせをAIに担わせることはできないということです。

◆ コンタクトセンターでAIを有効活用するには

コンタクトセンターのAIブームは、すでに6~7年を経過しようとしており、国内ではますます過熱する勢いを見せています。AIと名が付けば、手放しで「コンタクトセンターのパフォーマンスを劇的に向上させる“夢のシステム”」として評価してしまう空気感には、かつてのCRMブーム(注)の二の舞を危惧させるほどです。

注: 1990年台の終わりから2000年代の初めにかけて、世界的なCRMの大ブームが起こりました。本来は企業全体の顧客戦略のはずでしたが、その本質が理解されないまま、マーケティングやコンタクトセンターのツールの一部のような捉え方をされ、競って導入したものの、よくわからないまま放置され、大半が無駄な投資となったという苦い経験をしています。結局、コンタクトセンターの問い合わせ管理システムとしてCRMという名称だけは残りましたが・・・。

一方、欧米では、すでにAIに対する幻滅期を迎え、AIに対する捉え方が、「何でもしてくれる“万能の神”」から「パフォーマンスの向上を加速する“高性能のエンジン”」へと変化し、製品の選択、使い方、投資効果などを冷静に考えるようになっています。

AIをバズワードのまま消滅させることなく、真にコンタクトセンターのパフォーマンス向上に役立たせるためには、以下の6点の考え方や実践が必要です。

(1)置き換えるのでなく使い分ける: AIは人間がすることを何でもやってくれる万能の神ではありません。現時点で顧客応対においてAIができるのは、正解のあるシンプルな問い合わせに限られます。したがって、「エージェントをAIに置き換える」のでなく、「エージェントとAIを使い分ける」と考えてください。

(2)エージェントの背後でアシストする: AIをエージェントの背後に配置して、顧客応対のアシスト役を担わせます。エージェントが顧客とコミュニケーションするために必要な業務知識、商品知識、ビジネスプロセス、トランザクションの処理、情報の検索などは、まさにAIの得意技であり、これをAIが担うことで、エージェントの顧客応対の質や生産性を格段に向上させることが期待できます。

(3)強制や誘導をせず選択肢を提供する: AIとエージェントをうまく利用することで、これまでよりも正確で迅速な顧客応対が期待できます。その結果、顧客にとっては迅速性や簡便性が増し(優れた顧客体験の提供ということですね)、顧客満足の向上につながります。
だからといって、チャットボットなどAIによる応対の強制や誘導をすると、顧客の不興を買い、多くの顧客を失うことにもなります。誰もがAIによる応対を好むわけではないからです。強制や誘導でなく、顧客に選択肢を提供するように設計すべきです。

(4)投資なくして成功は得られない: エージェントが担っていた単純・定型・反復型の問い合わせをAIに任せたり、エージェントの顧客応対をAIにアシストさせることで、人件費の削減が期待できるでしょう。しかし、そのためには多くの投資も不可欠であることを認識する必要があります。
AIは導入すれば、すぐに“すごいこと”をしてくれるわけではありません。AIに目論見通りの効果を発揮させるためには、AIを“育てる”必要があります。そのためには高度な知識と経験を有する優秀なエンジニアが必要です。もちろん、AIの導入投資も必要です。

また、エージェントを単純作業から解放するということは、言い換えれば、これまでより高度で難解な顧客応対に集中するということです。そのためには、優秀なエージェントの確保や、既存のエージェントのトレーニングや人材開発投資に手を抜くわけにはいきません。人材の質、業務の質が高まるわけですから、給与水準の引き上げも必要になるでしょう。
これらを考えあわせた上で、いわゆる投資効果をしっかりと見極める必要があります。

(5)洗練されたマネジメント/オペレーションの構築が大前提: 導入時点でのAIは、人間で言えば赤ちゃんのようなものです。そんなAIに自社のすべての情報やビジネスプロセスを教え込んで、一人前に育てていく必要があります。しかし、その教え方や教える素材の質が悪ければ、いくらAIといえども、優れた効果を発揮することができないし、必要以上に時間もかかります。
AIは、旧態依然とした質の低い業務を整理整頓してくれるわけではありません。勘と経験による自己流のオペレーションの状態のままで、AIを導入しても役に立たないということです。
AIを導入するからには、マネジメントやオペレーションの洗練化が大前提となるのです。

(6)AIは仕事を奪うのでなくパートナー: AIを手放しに崇める一方、エージェントの仕事がAIに奪われることを恐れる議論も少なくありません。これもまさに、「AIが人間のすることを何でもする」という幻想から生じる発想です。
AIがエージェントの仕事を奪うのでなく、「わざわざ人間がしなくても良い作業をAIにやらせる」「その分、人間は、より高度で生産的、創造的な仕事に集中する」というのが本質です。AIと敵対するのでなく、AIは人間のパートナーと考えるべきなのです。
もちろん、単純作業から解放されて生まれた時間をどう使い、働き方をどのように変えていくかが重要なことは言うまでもありません。

◆ AIを使って顧客応対の現場でできそうなこと

AIの技術がコンタクトセンターで果たす役割には多くのものがありますが、ここでは本稿のテーマである顧客応対の現場において実現できそうなものに絞り、そのおもな例を下表にまとめたので、参考にしてください。もちろんこれは一部に過ぎないこと、また、製品レベルのものと概念レベルのものが混在していることはご容赦ください。
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この記事はNTTコミュニケーションズ社が運営するビジネスマガジンサイト「Bizコンパス」(現在は非公開)に、「AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法」として連載した寄稿を、同社の許諾により転載したものです。なお、同サイトへの掲載時点とは異なる情報や文言表記について、オリジナルの内容を損なわない範囲で更新している場合があります。
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    熊澤 伸宏
    コールセンターの教科書
    ​プロジェクト 主宰
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