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ブログ | 顧客接点の最前線

【第3回】コンタクトセンターの人手不足は自業自得、その原因と対策を考える

12/24/2019

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日本中の企業が人手不足に苦しんでいます。コンタクトセンターのそれは特に深刻です。

「コールセンター実態調査2019」(リックテレコム)によると、調査対象企業の半数以上(51%)が、スタッフの採用や定着率など人材確保に関する事項を、“最も深刻な運営上の課題”として挙げています。

労働集約型ビジネスの代表格であるコンタクトセンターだからこそ、そんな時代の大波をもろに受けて・・・と言いたいところですが、このような事態に陥ったのは、それだけが原因ではありません。

なぜなら、人手不足がメディアを賑わすようになる数年前から、コンタクトセンターの雇用環境は、採用難や離職率の高さなど、すでに悪化の一途をたどり始めていたからです。

本稿では、その原因を明らかにし、コンタクトセンターが成すべき課題や対策について考えます。

なお、マネージャー、スーパーバイザー、トレーナー、ビジネスコントローラーなど、コンタクトセンターの管理・支援スタッフも一様に人手不足の状況にありますが、話がややこしくなるので、ここではエージェントに絞って話を進めます。

◆ エージェントがコンタクトセンターを選択する条件

エージェントが「働く場所」としてのコンタクトセンターを選択するときに求めるのは、「働きがい」と「働きやすさ」です。

具体的には、表1に示すように、就職時の視点として「賃金」「雇用形態」「イメージ」、継続時の視点として「スケジュール」「報酬」「トレーニング」が重要な選択条件であることが、さまざまな調査などからわかっています。

これらに関するエージェント側のニーズと、コンタクトセンター側の取り組みがマッチしなければ、エージェントはそのコンタクトセンターを選択しないことになります。
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◆ コンタクトセンターが人手不足に陥った本当の理由

コンタクトセンターの雇用環境が、“時代に先駆けて”悪化した本質的な理由は、以下の3点にあります。

1つ目が「『基本』をおろそかにしたプアなマネジメント」です。

国内のコンタクトセンターのマネジメントは、その大多数が「自己流」「勘と経験」でおこなわれています。

そのため、やり方が間違っている、やっていることの質が低い、そもそもやるべきことをやっていない、といったことが起こります。そんなことでは、表1の選択条件に応えることは困難でしょう。

2つ目が「エージェントを『コスト』扱い」することです。

すべてのコンタクトセンター長は、異口同音に、“エージェントは「人財」だ”と言います。しかし、その言葉通りにエージェントをケアし、マネジメントしているでしょうか。残念ながら、ほとんどの場合、最終的な判断は、目先の金銭的な「コスト」のみでなされるのが現実です。

しかも、「適正なコスト」を求めるのならまだしも、その判断基準は「いかに安いか」「いかに減らすか」の一辺倒です。これでは、「雇用は非正規」「時給は安く」「ケアは必要最小限」とならざるを得ないでしょう。

3つ目が「コンタクトセンターに対する『ブラック・イメージ』」です。

全国に先駆けて10年近く前から雇用環境の悪化が始まった沖縄県では、教師や親御さんから、合言葉のように“コンタクトセンターだけはやめておけ”と言われるようになってしまいました。プアなマネジメントやエージェントのコスト扱いが、結果として、就職先としてのコンタクトセンターに対するブラックなイメージを植え付けてしまったのです。

一方で、表1の選択条件にマッチする質の高いマネジメントをする一部のコンタクトセンターには、応募者が集中するという状況が見られました。

今、日本では、人手不足が大きく騒がれていますが、人がいないわけではありません。労働力人口は過去最大を更新し続けている上に、一般事務系職種は、深刻な人余り状態にあります。デジタルトランスフォーメーションによる省力化が、「人減らし」「人いらず」を進めているからです。

にもかかわらず、「低賃金」「非正規」「ブラック」のイメージが、人手不足で困っているコンタクトセンターを始めとする現場・サービス系職種への人の流入を阻んでいるということです。

◆ まずは、正しいやり方で「基本」の徹底に努める

ここからは、上述の内容を踏まえ、コンタクトセンターが成すべき課題や対策について見ていきます。

まず何よりも、「自己流」「勘と経験」という旧態依然たるスタイルから脱却し、世界標準のコンタクトセンター・マネジメントの「基本」を学び、その実践に努めることが必要です。

この場で、コンタクトセンター・マネジメントの「基本」のすべてを語ることはできませんが、人手不足対策として特に重要な、「リソース・プランニング」「スケジューリング」「エージェント・エンゲージメント」の3つについて、それぞれ具体例を挙げて考察します。

◆ リソース・プランニング

リソース・プランニングは、コールセンターのすべての活動の起点となる仕事です。「業務量の予測」と「エージェント数の算出」、「シュリンケージ」、「応答率」と「稼働率」について順に説明します。

(1)「業務量の正確な予測」と「最適なエージェント数」の算出

驚くべきは、「業務量の正確な予測」と「最適なエージェント数の算出」を“きちんと”やっていないコンタクトセンターが圧倒的多数派であることです。重要なのは、世界標準の科学的な手法を使って「正確」で「最適」であることですが、それができていないのです。仕事の量や必要な人数が曖昧なのですから、人手不足や人余りになるのも当然だと言えます。

業務量の予測は、現在のところ世界中のコンタクトセンターに最も使われている「時系列分析」モデルを使用します。

エージェント数の算出には、「アーランC式」(インバウンドコールやライブチャットの場合)、「ワークロード人数算出式」(メールやFAXの場合)、「DPH方式」(アウトバウンドコールの場合)といった世界標準の算出モデルを用います。

(2)「シュリンケージ」を考慮しないとオペレーションは回らない

エージェント数の算出や組織の編成を、「シュリンケージ」の要素を欠いておこなうコンタクトセンターが多く存在します。

エージェントは、“本業”である顧客応対のほかに、トレーニング、ミーティング、休暇などに多くの時間(その時間を「シュリンケージ」と「呼びます)を費やしているため、それを加味して人数編成をしないと、現場のオペレーションが回りません。

一般に、エージェントの勤務時間の25~35%がシュリンケージであり、最近では、「働き方改革」の影響で勤務時間が減る一方、有給休暇の取得が推進されるなどして、シュリンケージの割合が増加傾向にあります。

エージェント数の算出に、これを加味しないということは、スタート時点から人数不足の状態であることを意味します。

(3)「応答率」「稼働率」信仰から脱却する

コンタクトセンターの“在り方”を決める根本指標は「サービスレベル」です。なぜなら、「アーランC式」によるエージェント数の計算をはじめ、コンタクトセンターのすべての活動において、提供するサービスや、必要なリソースの質や量を決める役割を担っているからです。

ところが、圧倒的多数のコンタクトセンターが、諸外国にはその概念すらない「応答率」を、根拠なく最も重要な指標としています。まさに、国内コンタクトセンターが“ガラパゴス状態”であることを象徴する事象です。

また、「稼働率」も大変な人気ですが、ホテルやエアラインの客室稼働率などと混同して、「稼働率は高ければ高いほど良い」と誤解しているコンタクトセンターが大変多いのも困りものです。

「稼働率」が上がると、サービスレベルや放棄率など、すべてのサービス指標が悪化します。エージェントはトイレに行く暇もなく受電に追われ、疲弊して燃え尽き、ついには退職に至ってしまいます。コンタクトセンターが自らブラック化を推進しているようなものです。

◆ スケジューリング

エージェントの「勤務スケジュール」は、職場としてのコンタクトセンターを選択する上で、最近では報酬と同等、あるいはそれ以上に重要な条件となっています。たとえば、「自分のライフスタイルに合わせて勤務時間を選択できる」「ストレスなく休日休暇を確実に取得できる」「勤務シフトや休暇の変更が柔軟かつ簡単にできる」といった、「働きやすさ」に対するニーズは高まる一方です。

そのために欧米のコンタクトセンターでは、表2に示すような「スケジューリング・オプション」(スケジュールの柔軟性を高めるためのさまざまな選択肢)や、「エージェント・プリファランス」(エージェントの個人的なニーズをスケジュールに反映、また、エージェントがスケジュールの策定に参画)といった施策を実行し、エージェントの「働きがい」や「働きやすさ」の実現に工夫を凝らしています。

すでに、欧米の一部のコンタクトセンターでは、エージェントが自宅に居ながらにして、自分のスマホを使って勤務シフトの申請や変更、あるいは同僚とのシフトの交換をするまでになっています。

このように、管理者の専権事項であった「スケジューリング」は、管理者の手を離れ、エージェントが自ら策定・運用するようになるでしょう。そうしなければ、エージェントの支持を得られない=エージェントに選択されなくなってしまうからです。

日本企業がこれらの施策を講じるためには、コンタクトセンター独自の制度設計が必要です。しかし、旧態依然とした硬直的な労働慣行や、社内外の伝統的な諸制度、さらには、社内のパワーバランスを最優先する組織風土などが、その大きな妨げとなっています。
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◆ エージェント・エンゲージメント

エージェントは、「エンゲージする」ことで、「働きがい」を感じるようになります。

エンゲージメントを日本語化するのは大変困難ですが、たとえば「組織に対して強い愛着を持ち、仕事に熱意を持っている状態」(米・ギャラップ社)などと定義されます。

エンゲージすることは、同時に「働きやすさ」の促進にもつながり、意欲と誇りを持ったエージェントが、ますます高い成果を挙げるようになります。

エンゲージしている状態を表す例えとして多く紹介されるのが、「サグラダファミリアの二人の石工」です。

旅行者が、サグラダファミリアの二人に石工に何をしているか尋ねると、一人は不機嫌な表情で「この忌々しい石を切ってるだけだ」とぼやき、もう一人は満足そうな表情で「世界一美しい大聖堂を造っています」と誇らしげに答えました。

コンタクトセンターのエージェントが、後者の石工のようにエンゲージするためには、「エンパワーメント」「モチベーション」「エンカレッジメント」「リコグニション」「リワード」「リテンション」といったキーワードに基づいたさまざまな施策を講じることで醸成されていきます。

紙幅の都合で、詳しい説明は省きますが、それぞれの関係性のイメージ(全体像)と上記の各キーワードの定義を図1に、具体的な施策例を表3に示します。
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◆ AIは人手不足を救えるか?

AIで人手不足を打開するという発想を言い換えるならば、“どうせ人が集まらないなら、上記のような面倒なことでなく、いっそのことエージェントをAIに置き換えてしまえばいいじゃないか”というものです。

しかし、残念ながら、今のところその考えはSFの域を出るものではありません。確かに、一部の単純・定型・大量・反復作業を任せることはできても、エージェントの顧客応対を任せるレベルにはないからです。

現状のAIは、人の生産性を高めるためのパートナーとしての役割がメインであり、人手不足の解消をAIに委ねようとするのは、あまりに安易で無謀と言わざるを得ません。

今日のコンタクトセンターの人手不足は、コンタクトセンター・マネジメントの「基本」の欠如とコスト削減一辺倒の思考、および、それらが招くブラックイメージが引き起こしたものと考えられます。

人手不足の時代に都合よく責任転嫁したり、安易にAIにその解決策を求めるのでなく、エージェントのニーズに応えるべく、コンタクトセンター・マネジメントの「基本」をしっかり実践することが必要です。

この記事はNTTコミュニケーションズ社が運営するビジネスマガジンサイト「Bizコンパス」(現在は非公開)に、「AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法」として連載した寄稿を、同社の許諾により転載したものです。なお、同サイトへの掲載時点とは異なる情報や文言表記について、オリジナルの内容を損なわない範囲で更新している場合があります。
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    熊澤 伸宏
    コールセンターの教科書
    ​プロジェクト 主宰
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