コール数の予測やエージェント数の算出、スケジューリング、サービスレベルの監視、レポーティングなどのために、インターバルを設定します。 インターバルとは、予測や測定をするための時間の間隔のことで、1時間、30分、15分といった単位で設定します。 インターバルは、センターの規模が大きくなるほど細かくなる傾向にあります。 なぜなら、ボリュームが大きいため、できるだけ細かい間隔で予測や測定をおこなって、その間の変化を正確にとらえたり、予測と実績との誤差を少なくする必要があるからです。 ところが、コール数やエージェント数の予測を細かいインターバルで緻密におこない、実績との誤差がほとんどなく、エージェントもスケジュール通りに勤務しているにもかかわらず、キュー(注1)が発生しサービスレベルが低下するというエージェント不足の状態に陥ることがあります。 その原因の多くは、コールの「オーバーハング」にあります。 コールのオーバーハング(注2)とは、1本のコールが前後の時間帯にまたがることを意味します。 例えば、インターバルを15分とした場合、前の時間帯(9:00~9:15)に着信したコールの応答が、後ろの時間帯(9:15~9:30)に入っても続くため、その分、後ろの時間帯に必要なエージェント数が不足することになります。 この問題に対処するには、コールのオーバーハングの発生を踏まえてインターバルを設定することが必要です。 具体的には、インターバルをAHT(average handle time; 平均処理時間)の2倍以上の長さにするということです。 つまり、インターバルを15分にするには、そのセンター(業務)のAHTが7分30秒以下であることが望ましいということです。 そうしておかないと、常に多くのオーバーハングに見舞われることとなり、時間帯別のきめ細かな予測やスケジューリングが機能しなくなってしまうので、注意が必要です。
注1: キュー = 顧客のコールがエージェントにつながるための順番待ちのこと
注2: オーバーハング = 建築物の壁面や山の断崖など、垂直な面の一部が張り出している形状のこと 熊澤 伸宏(文/Vol.11)
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