「コールセンターの活動に対する社内の理解がない」「コールセンターの社内における位置づけが低い」といったことが、コールセンターの運営上の課題して必ず挙げられます。
本当にそうなのでしょうか? そしてそれが課題なのでしょうか? 「コールセンターの社内認知度が低い」と多くのセンター管理者が言いますが、今の時代、コールセンターの存在自体を知らない社員がたくさんいるとはとても考えられません。 では、コールセンターのどの部分の認知度が低いのでしょうか。何を根拠に認知度が低いと判断するのでしょうか。社内の他部署との比較でしょうか・・・ 残念ながら、これらを裏付ける具体的な事実やデータを筆者は目にしたことがありません。 視点を変えましょう。 あなたは自社の他部署の仕事のすべてを、正確に把握していますか?――この問いに自信をもってYESと答えられる人は極めてまれなのではないでしょうか。 つまり、「お互いさま」なのです。 総務、広報、財務、法務……どの部署も皆、社内認知度が低いと嘆いています。 マーケティング部門が顧客にDMを発信したことを顧客から知らされたことや、知らないうちにコールセンターの電話番号が広告に掲載されていたことは、「マーケティング部門とコールセンター間のコミュニケーション不足」という具体的な問題であって、「コールセンターの認知度不足」といった漠然とした理由が原因なのではありません。 このことをきちんと認識しないで、ただ「コールセンターの位置づけが低いから・・・」などと嘆いていても、問題は何ひとつ解決しません。 そんな状態を放置している管理者は、まさに「思考停止」状態と言わざるを得ないでしょう。 つまり、「コールセンターの社内認知度が低い」(事実はわかりませんが)ことが課題ではないのです。 課題は、社内のビジネスプロセス、トレーニング、コミュニケーション、サービス・アグリーメントなどにあり、コールセンターの管理者として、問題をこれらに具体的に落とし込んで考え行動することが必要です。 では、具体的にどうすべきか・・・・・・今回は問題提起にとどめ、後日この「コールセンターの教科書コラム」であらためて述べたいと思います。 ちなみに、『コールセンタ・マネジメントの教科書』の第1章(Ⅲ効果的なビジネス・コミュニケーションを構築する)でも述べていますので、ぜひご参照ください。 熊澤 伸宏(文/Vol. 7)
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