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ワークフォースマネジメントの基本と実践

【第14回】コールセンターの業務量予測をより正確にする4つの評価手法

3/10/2020

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コール数や処理時間など業務量の予測は、コールセンターのすべての活動の起点となる極めて重要な作業です。それが決まることによって、人財や設備など、必要なリソースの質と量が決まってくるからです。それだけに、予測は正確である必要があります。

そのためには、予測をするだけでなく、その結果の正確性(コールセンターの専門用語で「フォーキャスト正確性」と言います)を検証・評価し、精度を高めていくことが不可欠です。

しかしながら現状では、「フォーキャスト正確性」の検証作業を行っているコールセンターは、数えるほどしかないのが現実です。行っていても、自己流の誤ったやり方である場合が少なくありません。

そこで、本稿では、世界中のコールセンターで標準的に使われている、統計理論に基づいた、「フォーキャスト正確性」の4つの評価手法について解説します。

◆ 時間帯ごとの正確性を評価する

「フォーキャスト正確性」を測定するのに一般的に行われるのが、予測と実績との誤差の割合(「誤差率」と言います)を求め、その値の大小で予測の正確性を評価する方法です。

計算式にあらわすと次のようになります。
​
誤差率(%)=((実績-予測)÷ 実績)× 100

表1は、ある日の9:00~18:00のコール数の予測、実績、予測と実績との誤差、誤差率を表しています。

時間帯ごとの誤差率の違いを見ればわかるように、誤差率が大きいほど予測の正確性は低く、小さいほど高いという評価になります。

ここで留意すべきなのは、最下段に示す一日合計の誤差率「-3.4%」で評価してはならないということです。

なぜなら、この「-3.4%」は、時間帯ごとの誤差を合計することで、正数の誤差と負数の誤差が相殺されてしまい、実態より過少な値であるからです。

このことを認識せずに、一日合計の誤差率で評価しているコールセンターが少なくありません。「誤差率」による評価は、時間帯ごとに行うべきでしょう。

とは言え、時間帯という細かい単位では、レポートの作成や上位者への報告など、運用上は不便です。通常は、1日、週、月といった単位で評価するのが普通でしょう。

そのために利用するのが、次に述べる「絶対誤差率」です。
​
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◆ 一定期間の正確性を評価する

「絶対誤差」とは、予測と実績の誤差の数値から-(マイナス)の符号を除いた絶対値のことを言います。この「絶対誤差」の実績に対する割合を「絶対誤差率」と言い、計算式は次の通りです。
​
絶対誤差率(%)=((|実績-予測|)÷ 実績)× 100
※ |  | は、記号内の数値が絶対値であることを示します

表1と同じデータを使って、「絶対誤差率」による1日単位の正確性を測定します(表2)。

まずは、時間帯ごとの「絶対誤差率」を算出し、その平均を求めます。最右列の時間帯ごとの「絶対誤差率」を単純平均するということです。

そうして算出された「13.4%」を「平均絶対誤差率」といい、通常は「MAPE」(median absolute percentage error)という風に英語の短縮形で表記します。

この「MAPE」を使うことで、1日単位、1カ月単位など、一定期間における予測の正確性を正しく表すことができます。
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◆ 散らばりの度合いを評価する

表3は同じ実績に対する異なる予測の「絶対誤差率」を表しています。
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左右どちらもMAPEは3.9%であり、この週全体の予測の正確性は同じレベルですが、曜日ごとの予測値や絶対誤差率は異なっています。

どちらの予測の方が優れているのでしょうか。

このような場合は、予測の「質」の観点から、2つの統計ツールを使って正確性を評価します。

一つ目が、予測の“散らばり”の度合いから正確性を評価する方法です。

表3の曜日ごとのデータを見ると、左表の絶対誤差率は、最大15.5%から最小0.1%まで15.4ポイントの開きがありますが、右表は最大6.0%、最小1.8%で4.2ポイントの開きに留まっており、左表のデータの方が大きく散らばっているように見えます。

これを統計的な数値として表すのが「標準偏差」です。

「標準偏差」とは、データの散らばりの度合いを表すもので、値が小さいほどデータの散らばりが少ない、つまり優れた予測であることを示します。

表3を見ると、左表の標準偏差は6.2%、右表は1.4%であり、絶対誤差率の見た目に加えて、統計的にも右表の予測の方が、左表の予測よりも優れていることがわかります。

ちなみに「標準偏差」はExcelに関数「STDEV」が用意されてるので、統計学の専門知識がなくても、誰でも容易に利用できます。

◆ 予測と実績の関係性を評価する

予測の「質」を評価するもう一つの統計ツールが「相関係数」です。

「相関係数」とは、ふたつのデータの関係性の強さを表すもので、それぞれのデータの増減パターンが似ている(=関係性が強い)ほど、その値が限りなく1.0に近くなります。もし、ふたつのデータのパターンが完全に合致していれば、「相関係数」は1.0になるということです。

表3の場合、左表の相関係数は0.962、右表は0.999で、右表の方が限りなく1.0に近い、すなわち、右表の予測の方が優れているという評価になります。

なお、「相関係数」もExcelの関数「CORREL」が用意されています。

◆ 「フォーキャスト正確性」の目標値をどう考えるか

フォーキャスト正確性の目標値と言えば「5%」が定番です。

率直に申し上げて、良く考えもせずに目標値を5%としているコールセンターが多いように思いますが、それで良いのでしょうか。

表4は、元となるコール数が5%増えた場合と5%減った場合に必要なエージェント数を示していますが、この条件では、最大5人の不足や余剰が生じることとなります。

つまり、フォーキャスト正確性の目標値は、盲目的に5%と設定するのでなく、コールセンターごとの環境や目的、事情に応じた適切な目標値を設定すべきなのです。

さらに重要なのは、この目標値は、そのままコールセンターの予測担当者(ビジネスコントローラー、フォーキャスター、WFMプロフェッショナルなどと呼ばれます)個人の業績評価の目標値でもあるということです。
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コールセンターの運営を左右するほど重要な予測業務を、担当者が“やりっ放し”で済ませることなく、日々、予測技術の向上に努め、その成果を彼らの人事上の業績評価に反映させることが重要です。

本稿で紹介した表1~3のExcelファイルをこちらのページからダウンロードして利用できます。


​Original: 2020年3月10日 - Last modified: 2022年1月14日

この記事はNTTコミュニケーションズ社が運営するビジネスマガジンサイト「Bizコンパス」(現在は非公開)に、「AI時代を生き抜く「本物」のコールセンター運営法」として連載した寄稿を、同社の許諾により転載したものです。なお、同サイトへの掲載時点とは異なる情報や文言表記について、オリジナルの内容を損なわない範囲で更新している場合があります。
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    熊澤 伸宏
    コールセンターの教科書
    ​プロジェクト 主宰
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