「センター長は中小企業の社長のようだ」などとよく言われるように、コールセンターの管理者は、大変多くの種類の仕事を担っています。 どの仕事も重要であり優劣をつけることはできませんが、強いて言うならば、「ワークフォース・マネジメント」(以下WFM)は、センター管理者にとって最も優先すべき仕事であると言えるでしょう。 なぜなら、WFMはコールセンターのすべての活動の起点としての役割を担っているからです。 WFM自体がさまざまな種類のタスクで構成されていますが、その中心となるのが、「ワークロード(業務量)の正確な予測」と「それに見合った最適なワークフォース(エージェント数)の算出」です。 この2つがしっかり機能することで、下の図に示すように、組織編成から採用、トレーニング、インフラ、設備・機器、予算など、コールセンターの活動に必要なすべてのリソースの質と量が決まります。 そして、無駄なく(効率よく)、質の高いオペレーションが可能となります。 言い換えれば、WFMが機能しなければ、コールセンターの活動は何も始まらないし、それがいい加減であっては、品質や生産性の向上など望むべくもありません。 ところが、コールセンターのメインの仕事であるインバウンド・コールは、一般の事務系オフィスワークと異なり、仕事がランダム(注1)に発生する、業務量をコントロールできない、顧客の姿が見えないといった特性により、ワークロードの予測とワークフォースの算出は困難を極めます。 その一方で、エージェントの人数がたった一人違うだけで顧客サービスに大きな影響を与えること、そして、顧客、エージェント、企業/株主の3大ステークホルダー(注2)の要求にバランスよく応えなければならないといったことから、極めて精緻なワークロードの予測と正確なワークフォースの算出が必要とされます。 そのために、WFMの知識やノウハウが必要なのです。 ヒストリカル・データ、ビジネス・ドライバー、時系列分析、サービスレベル、アーランC式、シュリンケージ、インバース方式、標準偏差、絶対誤差・・・・・・いずれもWFMを実践するために不可欠なキーワードです。 決して上級者や大規模センター向けであるとか、“オタク”の世界ではありません。すべてのセンター長やマネージャーが必ず理解しておくべき基本の用語ばかりです。 すべての活動の起点となるWFMに手を抜くわけにはいきません!
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